介護保険法 1

介護保険法
目次
 第一章 総則(第一条|第八条)
 第二章 被保険者(第九条|第十三条)
 第三章 介護認定審査会(第十四条|第十七条)
 第四章 保険給付
  第一節 通則(第十八条|第二十六条)
  第二節 認定(第二十七条|第三十九条)
  第三節 介護給付(第四十条|第五十一条)
  第四節 予防給付(第五十二条|第六十一条)
  第五節 市町村特別給付(第六十二条)
  第六節 保険給付の制限等(第六十三条|第六十九条)
 第五章 事業者及び施設
  第一節 指定居宅サービス事業者(第七十条|第七十八条)
  第二節 指定居宅介護支援事業者(第七十九条|第八十五条)
  第三節 介護保険施設
   第一款 指定介護老人福祉施設(第八十六条|第九十三条)
 第二款 介護老人保健施設(第九十四条|第百六条)
   第三款 指定介護療養型医療施設(第百七条|第百十五条)
 第六章 介護保険事業計画(第百十六条|第百二十条)
 第七章 費用等
  第一節 費用の負担(第百二十一条|第百四十六条)
  第二節 財政安定化基金等(第百四十七条|第百四十九条)
  第三節 医療保険者の納付金(第百五十条|第百五十九条)
 第八章 社会保険診療報酬支払基金の介護保険関係業務(第百六十条|第百七十四条)
 第九章 保健福祉事業(第百七十五条)
 第十章 国民健康保険団体連合会の介護保険事業関係業務(第百七十六条|第百七十八条)
 第十一章 介護給付費審査委員会(第百七十九条|第百八十二条)
 第十二章 審査請求(第百八十三条|第百九十六条)
 第十三章 雑則(第百九十七条|第二百四条)
 第十四章 罰則(第二百五条|第二百十五条)
 附則
  第一章 総則
(目的)
第一条 この法律は、加齢に伴って生ずる心身の変化に起因する疾病等により要介護状態となり、入浴、排せつ、食事等の介護、機能訓練並びに看護及び療養上の管理その他の医療を要する者等について、これらの者がその有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう、必要な保健医療サービス及び福祉サービスに係る給付を行うため、国民の共同連帯の理念に基づき介護保険制度を設け、その行う保険給付等に関して必要な事項を定め、もって国民の保健医療の向上及び福祉の増進を図ることを目的とする。
 (介護保険)
第二条 介護保険は、被保険者の要介護状態又は要介護状態となるおそれがある状態に関し、必要な保険給付を行うものとする。
2 前項の保険給付は、要介護状態の軽減若しくは悪化の防止又は要介護状態となることの予防に資するよう行われるとともに、医療との連携に十分配慮して行われなければならない。
3 第一項の保険給付は、被保険者の心身の状況、その置かれている環境等に応じて、被保険者の選択に基づき、適切な保健医療サービス及び福祉サービスが、多様な事業者又は施設から、総合的かつ効率的に提供されるよう配慮して行われなければならない。
4 第一項の保険給付の内容及び水準は、被保険者が要介護状態となった場合においても、可能な限り、その居宅において、その有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるように配慮されなければならない。
 (保険者)
第三条 市町村及び特別区は、この法律の定めるところにより、介護保険を行うものとする。
2 市町村及び特別区は、介護保険に関する収入及び支出について、政令で定めるところにより、特別会計を設けなければならない。
 (国民の努力及び義務)
第四条 国民は、自ら要介護状態となることを予防するため、加齢に伴って生ずる心身の変化を自覚して常に健康の保持増進に努めるとともに、要介護状態となった場合においても、進んでリハビリテーションその他の適切な保健医療サービス及び福祉サービスを利用することにより、その有する能力の維持向上に努めるものとする。
2 国民は、共同連帯の理念に基づき、介護保険事業に要する費用を公平に負担するものとする。
 (国及び都道府県の責務)
第五条 国は、介護保険事業の運営が健全かつ円滑に行われるよう必要な各般の措置を講じなければならない。
2 都道府県は、介護保険事業の運営が健全かつ円滑に行われるように、必要な指導及び適切な援助をしなければならない。
 (医療保険者の協力)
第六条 医療保険者は、介護保険事業が健全かつ円滑に行われるよう協力しなければならない。
 (定義)
第七条 この法律において「要介護状態」とは、身体上又は精神上の障害があるために、入浴、排せつ、食事等の日常生活における基本的な動作の全部又は一部について、厚生省令で定める期間にわたり継続して、常時介護を要すると見込まれる状態であって、その介護の必要の程度に応じて厚生省令で定める区分(以下「要介護状態区分」という。)のいずれかに該当するものをいう。
 この法律において「要介護状態となるおそれがある状態」とは、身体上又は精神上の障害があるために、厚生省令で定める期間にわたり継続して、日常生活を営むのに支障があると見込まれる状態(厚生省令で定める程度のものに限る。)であって、要介護状態以外の状態をいう。
3 この法律において「要介護者」とは、次の各号のいずれかに該当する者をいう。
 一 要介護状態にある六十五歳以上の者
 二 要介護状態にある四十歳以上六十五歳未満の者であって、その要介護状態の原因である身体上又は精神上の障害が加齢に伴って生ずる心身の変化に起因する疾病であって政令で定めるもの(以下「特定疾病」という。)によって生じたものであるもの
4この法律において「要支援者」とは、次の各号のいずれかに該当する者をいう。
 一 要介護状態となるおそれがある状態にある六十五歳以上の者
 二 要介護状態となるおそれがある状態にある四十歳以上六十五歳未満の者であって、その要介護状態となるおそれがある状態の原因である身体上又は精神上の障害が特定疾病によって生じたものであるもの
5 この法律において「居宅サービス」とは、訪問介護、訪問入浴介護、訪問看護、訪問リハビリテーション、居宅療養管理指導、通所介護、通所リハビリテーション、短期入所生活介護、短期入所療養介護、痴呆対応型共同生活介護、特定施設入所者生活介護及び福祉用具貸与をいい、「居宅サービス事業」とは居宅サービスを行う事業をいう。
6 この法律において「訪問介護」とは、要介護者又は要支援者(以下「要介護者等」という。)であって、居宅(老人福祉法(昭和三十八年法律第百三十三号)第二十条の六に規定する軽費老人ホーム、同法第 二十九条第一項に規定する有料老人ホーム(第十六項において単に「有料老人ホーム」という。)その他の厚生省令で定める施設における居室を含む。以下同じ。)において介護を受けるもの(以下「居宅要介護者等」という。)について、その者の居宅において介護福祉士その他厚生省令で定める者により行われる入浴、排せつ、食事等の介護その他の日常生活上の世話であって、厚生省令で定めるものをいう。
7 この法律において「訪問入浴介護」とは、居宅要介護者等について、その者の居宅を訪問し、浴槽を提供して行われる入浴の介護をいう。
8 この法律において「訪問看護」とは、居宅要介護者等(主治の医師がその治療の必要の程度につき厚生省令で定める基準に適合していると認めたものに限る。)について、その者の居宅において看護婦その他厚生省令で定める者により行われる療養上の世話又は必要な診療の補助をいう。
9 この法律において「訪問リハビリテーション」とは、居宅要介護者等(主治の医師がその治療の必要の程度につき厚生省令で定める基準に適合していると認めたものに限る。)について、その者の居宅において、その心身の機能の維持回復を図り、日常生活の自立を助けるために行われる理学療法、作業療法その他必要なリハビリテーションをいう。
10 この法律において「居宅療養管理指導」とは、居宅要介護者等について、病院、診療所又は薬局の医師、歯科医師、薬剤師その他厚生省令で定める者により行われる療養上の管理及び指導であって、厚生省令で定めるものをいう。
11 この法律において「通所介護」とは、居宅要介護者等について、老人福祉法第五条の二第三項に規定する厚生省令で定める施設又は同法第二十条の二の二に規定する老人デイサービスセンターに通わせ、当該施設において入浴及び食事の提供(これらに伴う介護を含む。)その他の日常生活上の世話であって厚生省令で定めるもの並びに機能訓練を行うことをいう。
12 この法律において「通所リハビリテーション」とは、居宅要介護者等(主治の医師がその治療の必要の程度につき厚生省令で定める基準に適合していると認めたものに限る。)ついて、介護老人保健施設、病院、診療所その他の厚生省令で定める施設に通わせ、当該施設において、その心身の機能の維持回復を図り、日常生活の自立を助けるために行われる理学療法、作業療法その他必要なリハビリテーションを行うことをいう。
13 この法律において「短期入所生活介護」とは、居宅要介護者等について、老人福祉法第五条の二第四項に規定する厚生省令で定める施設又は同法第二十条の三に規定する老人短期入所施設に短期間入所させ、当該施設において入浴、排せつ、食事等の介護その他の日常生活上の世話及び機能訓練を行うことをいう。
14 この法律において「短期入所療養介護」とは、居宅要介護者等(その治療の必要の程度につき厚生省令で定めるものに限る。)について、介護老人保健施設、介護療養型医療施設その他の厚生省令で定める施設に短期間入所させ、当該施設において看護、医学的管理の下における介護及び機能訓練その他必要な医療並びに日常生活上の世話を行うことをいう。
15 この法律において「痴呆対応型共同生活介護」とは、要介護者であって痴呆の状態にあるもの(当該痴呆に伴って著しい精神症状を呈する者及び当該痴呆に伴って著しい行動異常がある者並びにその者の痴呆の原因となる疾患が急性の状態にある者を除く。)について、その共同生活を営むべき住居において、入浴、排せつ、食事等の介護その他の日常生活上の世話及び機能訓練を行うことをいう。
16 この法律において「特定施設入所者生活介護」とは、有料老人ホームその他厚生省令で定める施設(以下この項において「特定施設」という。)に入所している要介護者等について、当該特定施設が提供するサービスの内容、これを担当する者その他厚生省令で定める事項を定めた計画に基づき行われる入浴、排せつ、食事等の介護その他の日常生活上の世話であって厚生省令で定めるもの、機能訓練及び療養上の世話をいう。
17 この法律において「福祉用具貸与」とは、居宅要介護者等について行われる福祉用具(心身の機能が低下し日常生活を営むのに支障がある要介護者等の日常生活上の便宜を図るための用具及び要介護者等の機能訓練のための用具であって、要介護者等の日常生活の自立を助けるためのものをいう。第四十四条第一項において同じ。)のうち厚生大臣が定めるものの貸与をいう。
18 この法律において「居宅介護支援」とは、居宅要介護者等が第四十一条第一項に規定する指定居宅サービス又は特例居宅介護サービス費若しくは特例居宅支援サービス費に係る居宅サービス若しくはこれに相当するサービス及びその他の居宅において日常生活を営むために必要な保健医療サービス又は福祉サービス(以下この項において「指定居宅サービス等」という。)の適切な利用等をすることができるよう、当該居宅要介護者等の依頼を受けて、その心身の状況、その置かれている環境、当該居宅要介護者等及びその家族の希望等を勘案し、利用する指定居宅サービス等の種類及び内容、これを担当する者その他厚生省 令で定める事項を定めた計画(以下この項において「居宅サービス計画」という。)を作成するとともに、当該居宅サービス計画に基づく指定居宅サービス等の提供が確保されるよう、同条第一項に規定する指定居宅サービス事業者その他の者との連絡調整その他の便宜の提供を行い、及び当該居宅要介護者等が介護保険施設への入所を要する場合にあっては、介護保険施設への紹介その他の便宜の提供を行うことをいい、「居宅介護支援事業」とは、居宅介護支援を行う事業をいう。
19 この法律において「介護保険施設」とは、第四十八条第一項第一号に規定する指定介護老人福祉施設、介護老人保健施設及び同項第三号に規定する指定介護療養型医療施設をいう。
20 この法律において「施設サービス」とは、介護福祉施設サービス、介護保健施設サービス及び介護療養施設サービスをいい、「施設サービス計画」とは、介護老人福祉施設、介護老人保健施設又は介護療養型医療施設に入所している要介護者について、これらの施設が提供するサービスの内容、これを担当する者その他厚生省令で定める事項を定めた計画をいう。
21 この法律において「介護老人福祉施設」とは、老人福祉法第二十条の五に規定する特別養護老人ホームであって、当該特別養護老人ホームに入所する要介護者に対し、施設サービス計画に基づいて、入浴、排せつ、食事等の介護その他の日常生活上の世話、機能訓練、健康管理及び療養上の世話を行うことを目的とする施設をいい、「介護福祉施設サービス」とは、介護老人福祉施設に入所する要介護者に対し、施設サービス計画に基づいて行われる入浴、排せつ、食事等の介護その他の日常生活上の世話、機能訓練、健康管理及び療養上の世話をいう。
22 この法律において「介護老人保健施設」とは、要介護者(その治療の必要の程度につき厚生省令で定めるものに限る。以下この項において同じ。)に対し、施設サービス計画に基づいて、看護、医学的管理の下における介護及び機能訓練その他必要な医療並びに日常生活上の世話を行うことを目的とする施設として、第九十四条第一項の都道府県知事の許可を受けたものをいい、「介護保健施設サービス」とは、介護老人保健施設に入所する要介護者に対し、施設サービス計画に基づいて行われる看護、医学的管理の下における介護及び機能訓練その他必要な医療並びに日常生活上の世話をいう。
23 この法律において「介護療養型医療施設」とは、療養型病床群等(医療法(昭和二十三年法律第二百五号)第一条の五第二項に規定する療養型病床群(その全部又は一部について専ら要介護者を入院させるものに限る。)又は同法第二十一条第一項ただし書の都道府県知事の許可を受けた病院その他のこれに準ずる病院であって政令で定めるものの病床のうち痴呆の状態にある要介護者の心身の特性に応じた適切な看護が行われるものとして政令で定めるものをいう。以下同じ。)を有する病院であって、当該療養型病床群等(当該療養型病床群のうちその一部について専ら要介護者を入院させるものにあっては、当該専ら要介護者を入院させる部分に限る。以下同じ。)に入院する要介護者(その治療の必要の程度につき厚生省令で定めるものに限る。以下この項において同じ。)に対し、施設サービス計画に基づいて、療養上の管理、看護、医学的管理の下における介護その他の世話及び機能訓練その他必要な医療を行うことを目的とする施設をいい、「介護療養施設サービス」とは、介護療養型医療施設の療養型病床群等に入院する要介護者に対し、施設サービス計画に基づいて行われる療養上の管理、看護、医学的管理の下における介護その他の世話及び機能訓練その他必要な医療をいう。
24 この法律において「医療保険各法」とは、次に掲げる法律をいう。
 一 健康保険法(大正十一年法律第七十号)
 二 船員保険法(昭和十四年法律第七十三号)
 三 国民健康保険法(昭和三十三年法律第百九十二号)
 四 国家公務員共済組合法(昭和三十三年法律第百二十八号)
 五 地方公務員等共済組合法(昭和三十七年法律第百五十二号)
 六 私立学校教職員共済組合法(昭和二十八年法律第二百四十五号)
25 この法律において「医療保険者」とは、医療保険各法の規定により医療に関する給付を行う政府、健康保険組合、市町村(特別区を含む。)、国民健康保険組合又は共済組合をいう。
26 この法律において「医療保険加入者」とは、次に掲げる者をいう。
 一 健康保険法の規定による被保険者。ただし、同法第六十九条の七の規定による日雇特例被保険者を除く。
 二 船員保険法の規定による被保険者
 三 国民健康保険法の規定による被保険者
 四 国家公務員共済組合法、地方公務員等共済組合法又は私立学校教職員共済組合法に基づく共済組合の組合員
 五 健康保険法、船員保険法、国家公務員共済組合法(他の法律において準用する場合を含む。)又は地方公務員等共済組合法の規定による被扶養者。ただし、健康保険法第六十九条の七の規定による日雇特例被保険者の同法の規定による被扶養者を除く。
 六 健康保険法第六十九条の九の規定により日雇特例被保険者手帳の交付を受け、その手帳に健康保険印紙をはり付けるべき余白がなくなるに至るまでの間にある者及び同法の規定によるその者の被扶養者。ただし、同法第六十九条の八の規定による承認を受けて同法第六十九条の七の規定による日雇特例被保険者とならない期間内にある者及び同法第六十九条の九第三項の規定により当該日雇特例被保険者手帳を返納した者並びに同法の規定によるその者の被扶養者を除く。
 (諮問)
第八条 厚生大臣は、この法律の規定による介護保険に関する重要事項については、あらかじめ、政令で定める審議会(以下「審議会」という。)に諮問するものとする。
   第二章 被保険者
 (被保険者)
第九条 次の各号のいずれかに該当する者は、市町村又は特別区(以下単に「市町村」という。)が行う介護保険の被保険者とする。
一 市町村の区域内に住所を有する六十五歳以上の者(以下「第一号被保険者」という。)
二市町村の区域内に住所を有する四十歳以上六十五歳未満の医療保険加入者(以下「第二号被保険者」という。)
 (資格取得の時期)
第十条 前条の規定による当該市町村が行う介護保険の被保険者は、次の各号のいずれかに該当するに至った日から、その資格を取得する。
 当該市町村の区域内に住所を有する医療保険加入者が四十歳に達したとき。
二 四十歳以上六十五歳未満の医療保険加入者又は六十五歳以上の者が当該市町村の区域内に住所を有するに至ったとき。
三 当該市町村の区域内に住所を有する四十歳以上六十五歳未満の者が医療保険加入者となったとき。
四 当該市町村の区域内に住所を有する者(医療保険加入者を除く。)が六十五歳に達したとき。
 (資格喪失の時期)
第十一条 第九条の規定による当該市町村が行う介護保険の被保険者は、当該市町村の区域内に住所を有しなくなった日の翌日から、その資格を喪失する。ただし、当該市町村の区域内に住所を有しなくなった日に他の市町村の区域内に住所を有するに至ったときは、その日から、その資格を喪失する。
2 第二号被保険者は、医療保険加入者でなくなった日から、その資格を喪失する。
 (届出等)
第十二条 第一号被保険者は、厚生省令で定めるところにより、被保険者の資格の取得及び喪失に関する事項その他必要な事項を市町村に届け出なければならない。ただし、第十条第四号に該当するに至ったことにより被保険者の資格を取得した場合(厚生省令で定める場合を除く。)については、この限りでない。
2 第一号被保険者の属する世帯の世帯主は、その世帯に属する第一号被保険者に代わって、当該第一号被保険者に係る前項の規定による届出をすることができる。
3 被保険者は、市町村に対し、当該被保険者に係る被保険者証の交付を求めることができる。
4 被保険者は、その資格を喪失したときは、厚生省令で定めるところにより、速やかに、被保険者証を返還しなければならない。
5 住民基本台帳法(昭和四十二年法律第八十一号)第二十二条から第二十五条までの規定による届出があったとき(当該届出に係る書面に同法第二十八条の二の規定による付記がされたときに限る。)は、その届出と同一の事由に基づく第一項本文の規定による届出があったものとみなす。
6 前各項に規定するもののほか、被保険者に関する届出及び被保険者証に関して必要な事項は、厚生省令で定める。
 (介護保険施設に入所中の被保険者の特例)
第十三条 介護保険施設に入所することにより当該介護保険施設の所在する場所に住所を変更したと認められる被保険者であって、当該介護保険施設に入所した際他の市町村(当該介護保険施設が所在する市町村以外の市町村をいう。)の区域内に住所を有していたと認められるものは、第九条の規定にかかわらず、当該他の市町村が行う介護保険の被保険者とする。ただし、二以上の介護保険施設に継続して入所している被保険者であって、現に入所している介護保険施設(以下この項及び次項において「現入所施設」という。)に入所する直前に入所していた介護保険施設(以下この項において「直前入所施設」という。)及び現入所施設のそれぞれに入所することにより直前入所施設及び現入所施設のそれぞれの所在する場所に順次住所を変更したと認められるもの(次項において「特定継続入所被保険者」という。)については、この限りでない。
2 特定継続入所被保険者のうち、次の各号に掲げるものは、第九条の規定にかかわらず、当該各号に定める市町村が行う介護保険の被保険者とする。
 一 継続して入所している二以上の介護保険施設のそれぞれに入所することによりそれぞれの介護保険施設の所在する場所に順次住所を変更したと認められる被保険者であって、当該二以上の介護保険施設のうち最初の介護保険施設に入所した際他の市町村(現入所施設が所在する市町村以外の市町村をいう。)の区域内に住所を有していたと認められるもの 当該他の市町村
 二 継続して入所している二以上の介護保険施設のうち一の介護保険施設から継続して他の介護保険施設に入所すること(以下この号において「継続入所」という。)により当該一の介護保険施設の所在する場所以外の場所から当該他の介護保険施設の所在する場所への住所の変更(以下この号において「特定住所変更」という。)を行ったと認められる被保険者であって、最後に行った特定住所変更に係る継続入所の際他の市町村(現入所施設が所在する市町村以外の市町村をいう。)の区域内に住所を有していたと認められるもの 当該他の市町村
3 前二項の規定の適用を受ける被保険者が入所している介護保険施設は、当該介護保険施設の所在する市町村及び当該被保険者に対し介護保険を行う市町村に、必要な協力をしなければならない。
   第三章 介護認定審査会
 (介護認定審査会)
第十四条 第三十八条第二項に規定する審査判定業務を行わせるため、市町村に介護認定審査会(以下「認定審査会」という。)を置く。
 (委員)
第十五条 認定審査会の委員の定数は、政令で定める基準に従い条例で定める数とする。 2 委員は、要介護者等の保健、医療又は福祉に関する学識経験を有する者のうちから、市町村長(特別区にあっては、区長)が任命する。   
 (共同設置の支援)
第十六条 都道府県は、認定審査会について地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百五十二条の七第一項の規定による共同設置をしようとする市町村の求めに応じ、市町村相互間における必要な調整を行うことができる。
2 都道府県は、認定審査会を共同設置した市町村に対し、その円滑な運営が確保されるように必要な技術的な助言その他の援助をすることができる。 
(政令への委任規定)
第十七条 この法律に定めるもののほか、認定審査会に関し必要な事項は、政令で定める。   第四章 保険給付
    第一節 通則
 (保険給付の種類)
第十八条 この法律による保険給付は、次に掲げる保険給付とする。
一 被保険者の要介護状態に関する保険給付(以下「介護給付」という。)
二 被保険者の要介護状態となるおそれがある状態に関する保険給付(以下「予防給付」という。)
三 前二号に掲げるもののほか、要介護状態の軽減若しくは悪化の防止又は要介護状態となることの予防に資する保険給付として条例で定めるもの(第五節において「市町村特別給付」という。)
(市町村の認定)
第十九条 介護給付を受けようとする被保険者は、要介護者に該当すること及びその該当する要介護状態区分について、市町村の認定(以下「要介護認定」という。)を受けなければならない。
2 予防給付を受けようとする被保険者は、要支援者に該当することについて、市町村の認定(以下「要支援認定」という。)を受けなければならない。
 (他の法令による給付との調整)
第二十条 介護給付又は予防給付(以下「介護給付等」という。)は、当該要介護状態又は要介護状態となるおそれがある状態(以下「要介護状態等」という。)につき、労働者災害補償保険法(昭和二十二年法律第五十号)の規定による療養補償給付若しくは療養給付その他の法令に基づく給付であって政令で定めるもののうち介護給付等に相当するものを受けることができるときは政令で定める限度において、又は当該政令で定める給付以外の給付であって国若しくは地方公共団体の負担において介護給付等に相当するものが行われたときはその限度において、行わない。


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